インタビュー 2018年5月
那賀町地域おこし協力隊/ミュージシャン
越路よう子さん
Profile:ステージ上では女装姿のミュージシャン。代官山ではライブハウス「晴れたら空に豆まいて」の代表も務める。拝宮という地域の農村舞台に惚れ込み、地域おこし協力隊員となる。以後、ミュージシャンの招聘や徳島に歌い継がれる民謡のアーカイブなど、多彩な活動で那賀町と東京、そして世界をつなぐべく奔走中。
初めて那賀町に来られた時の印象、協力隊員になったきっかけを教えてください。
越路さんを魅了した拝宮農村舞台
越路さん:絵描きをしている辻蘭子さん(元那賀町地域おこし協力隊員)に、拝宮農村舞台の出演者として呼んでもらったことが那賀町を訪れたきっかけです。険しい山の中に野外ステージがあること、自然やお客さんと調和し、一体になれる農村舞台ならではの魅力に感動しました。「舞台に立つ人間としてこんな幸せな場所はない」と。この感動をもっと広めるために何ができるかを考えていた時に「協力隊という制度があるよ」と紹介してもらいました。
昨年は山下洋輔さんやオマール・ソーサさんなど、世界的なアーティストの方々を招聘され、好評を博しましたが、音楽以外にも拝宮農村舞台の活用をお考えと伺いました。
海外アーティストも魅了(写真:野田昌志)
越路さん:農村舞台は神社が併設されているので、そこで農村ブライダルのプロデュースをやってみたいなと。お祝いに三番叟をやってもらったり、那賀町独特の文化や風土を活かせる結婚式を企画して、世界に向けてPRしていきたいと考えています。
そのような世界へ向けた発信と並行して、地域に残る野良唄や民謡のアーカイブにも尽力されていますね。
模擬結婚式(写真:野田昌志)
越路さん:徳島県出身の舞踊家で、民俗芸能の保存に力を入れていた檜瑛司さんが録り貯めたテープをもとにアーカイブを試みました。残っているテープのほとんどがオープンリールだったので、再生できる機械が絶滅しちゃってたんですよ。テープ自体も腐っていて、その修復と、2,000曲というとてつもない数の編集作業など、いくつものハードルが立ちはだかりました。でも、録音されていた曲はどれも素晴らしかったんですよ。みんな歌手じゃないのに、とんでもない歌唱力と演奏技術があって、さすが浄瑠璃の国だなと思いました。
越路さんの次々と活動されることが結果に結びついていますね。
越路さん:地元のみなさんのおかげです。惜しみなく協力してくれて、いろいろ教えてくれて。那賀町の人たちとふれあうことで原点に戻れるような、人間本来のつながりを感じられるというか。月に1回、太鼓の練習をしたり、コーラスグループで女子会(笑)をやったり、地元の人たちと過ごす時間を大切にしています。今も東京と那賀町を行き来して、2拠点で生活していますが、那賀町は私の人生にとってものすごく大事な場所になりました。東京にいる時は那賀町の話ばっかりしてます。だから東京のミュージシャン仲間は皆、大体、那賀町を知ってますよ。今も次々、洗脳していってます。いろんな人の力を借りつつ、那賀町の魅力をもっともっと広めていきたいと思っています。