【インタビュー】福岡晃子さん&稲葉隼人さんが那賀町の魅力を語る

8月3~4日にOLUYOが企画する夏のイベント「OLUYO企画那賀町サマーツアー 2019~スマート回廊もいくでよ~」 が開催されました。

徳島をこよなく愛するOLUYO社長の福岡晃子さん、那賀町でおためし移住を体験していただいた同副社長の稲葉隼人さんに、インタビューの機会をいただき那賀町の魅力、ツアーに向けての意気込みなどを語っていただきました。

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写真:ツアーの宿泊地となる「あいあいらんど」にて撮影(2019.6.17)

福岡晃子さん(写真左)
昨年完結したロックバンド「チャットモンチー」で主にベース、コーラスを担当。現在も音楽ユニット「くもゆき」や吉本新喜劇ィズ、自身のソロライブなどの多彩な音楽活動を展開中。 その傍ら地元徳島を盛り上げるため多目的スペース「OLUYO
」を立ち上げ、社長として雑貨や服などの販売やワークショップの開催など楽しい仕掛けを創り出している。

稲葉隼人さん(写真右)
本職はドラマー、ドラムチューナー。ロックバンド「DOPING PANDA」のドラマー、「チャットモンチー」のマネージャーを経て現在はOLUYO副社長としてあっこ社長を支える。昨年那賀町に愛犬リムとともに3ヵ月間のおためし移住を経験。

福岡晃子さん ~外から見た那賀町 ~

ーチャットモンチーのこなそんフェス2018が原因で徳島中の、いや日本中の気温が1℃上がった2018年の夏から、もうすぐで1年が経とうとしています。
まずはチャットモンチーとして駆け抜けた16年間、おつかれさまでした。
そして、チャットモンチー(済)になり音楽に対する姿勢など心境に変化はありましたか?

福岡さん:心境には随分変化がありました。完結してもうすぐ1年ですが、やっと今の生活ペースに慣れてきたというか。16年、寝ても覚めてもバンドのことばかり考えていたので、その時間がぽっかり空いてしまうと何をしていいのかしばらく分からなかったですね。今はチャットモンチーを最高の状態で完結できたという誇りを持って、2回目の人生を楽しめています。音楽とも、とても自然な状態で向き合っていると思います。

ーチャットモンチーのときから、バンドとしてそして福岡晃子さんの徳島愛には目を見張るものがありました。
チャット商店(2015年、2018年期間限定オープン)やこなそんフェス(2016年、2018年開催)では県外のお客様が徳島に来て、チャットモンチーゆかりの地を楽しむだけではなく、福岡晃子さんと庄野雄治さんがつくった「徳島のほんと(書籍)」を片手に徳島を満喫した人も多かったと聞きます。
東新町に登場した「OLUYO」はその最たるもので、月に1度のオープン時には徳島のおみやげものやオリジナル商品、また、徳島の職人さんなどを招いてのトークショウやワークショップを開催して徳島の発信に努められていますが、どのような想いでOLUYOをオープンしたのでしょうか?

福岡さん:最初はチャットモンチーのお店が徳島にあると面白いんじゃない?と当時のマネージャー(現OLUYO副社長稲葉氏)から提案されたのがきっかけでした。ちょうどデビュー10周年を迎える頃で、徳島でそろそろ何か楽しいことでもやれたらいいなと思っていた時期だったし、すぐに「面白そう!」と計画し始めました。「チャット商店」は期間限定でしたけど、その後もやっぱり徳島で面白いことを企画していきたいと思えるようになって。県内外のお客さんにも徳島をカジュアルに紹介できるようなイベントスペースを作れたらいいなと思い、今のOLUYOの形になりました。お店というより、徳島を知ってもらうスペースという感じです。

ーOLUYOを続けていく中でさまざまな面白い人にも出会ったとか?

福岡さん:こんなに面白い人たちが徳島におるんじゃ!という驚きの連続でした。
ミニチュア作家さんや木工作家さん、行列ができるパン屋さん、フリーランスの藍染作家さん、ごみを資源にして雑貨を作る職人さんなどなど。
ワークショップでお仕事の内容を知り、トークショーでより深い部分まで掘り下げるというイベントを続けてきました。みなさんお話しがとっても面白い。私自身、違う業種に興味津々だったのでいろんな質問をしました。トークショーは毎度かなり濃い内容でしたね。
その後もみなさんと繋がっていて、OLUYOの商品もコラボさせてもらったりしています。

ー那賀町にもたくさんの面白い人がいて(那賀町地域おこし協力隊員)、コラボ企画もさせてもらいました。那賀町のコトをあまり知らなかった福岡さんが那賀町をみて、率直な感想を教えてください。

福岡さん:とにかく、変わった人が多い (笑)。だから私も波長が合うのかもしれないんですけど。徳島の中でも、那賀町の方々は特にマンパワーありますよね。どんなイベントを企画するにしても、目的が自分以外のものに向いている人が多い印象があります。もちろん結果的に自分にとっても良いことではあるんでしょうけど。那賀町まで足を運ぶ観光客のこと、移住者のこと、那賀町の環境のこと、自然のこと、いつもそういう問題に熱心に取り組まれている印象があります。お金を使って不特定多数に告知したり宣伝することって誰にでもできることだと思うんですけど、那賀町の人はそれをしない。自分が実感を持って語れること、問題視していることをちゃんと相手と向き合いながら伝えてくれます。だから小さい規模で開催するイベントでも興味を持ってくれる方が多いんだと思います。

ーありがとうございます。
何度か那賀町にも足を運んでいただいていますが、実際に来てみていかがですか?

福岡さん:月並みですが、空気が本当に美味しい。あと、開放感がありすぎて、昨年は服のまま川に飛び込んだりしました。野生の鹿にも遭遇しましたし、徳島市内育ちの私としては羨ましい環境だなと思いました。音楽を作るための経験を「インプット」するという言葉をよく使うんですが、それでいうと那賀町に行くとインプットというより「リセット」される感覚があります。今までとは違う目線で物事を見ることができるようになるというか。それってインプットよりも結構大事なことのような気がします。狭くなってしまった視野が、自然の中に立つとぐっと広がる。自然を前にして、人という儚い存在を意識することで、まっすぐに生きていこうという想いが芽生えるような、そんな場所です。

ーありがとうございます。
那賀町では子育て支援や空き家の改修など各種の支援制度も整備し移住の促進にも取り組んでいますがその中で町をPRすることの難しさも感じています。
福岡さんが感じた那賀町でリセットされる感覚、町外から来たからこそ感じる気持ちや目線の持ち方など、今後、移住者施策を進める上でヒントにさせていただきたいと思います。今後とも、那賀町を宜しくお願い致します。そして・・・

8月にイベントが控えているとか?

福岡さん:これも那賀町とのコラボ企画ですね。その名も「OLUYO企画那賀町サマーツアー2019~スマート回廊も行くでよ~」。OLUYOの初旅行ツアーとなるこの企画も、本当に面白い内容になっています。まさにマンパワーなしでは成功し得ないイベントですよね。嬉しいことに告知直後から予約殺到しております。チャットモンチーのこなそんフェス2018から那賀町が気になっていた!というお客様もいるみたいで、今までやってきたことが繋がっているんだなと実感しています。お客様全員が充実した時間を過ごせるよう精一杯がんばります。

それでは、「OLUYO企画那賀町サマーツアー2019~スマート回廊もいくでよ~」も宜しくお願い致します!

稲葉隼人さん  ~おためし移住してみて~

ー稲葉さんとはじめてお会いしたのは2017年の秋。
OLUYOで那賀町とOLUYOのコラボ企画「トイドローンを作って飛ばしてみよう!」の打合せのときでした。それから、「SUPに乗ってみよう」企画、こなそんフェス2018を通じて那賀町のことを知ってもらえたと思います。徳島のことはチャットモンチーのマネージャーとして馴染みがあったと思いますが那賀町のことは一緒にイベントをさせていただくまであまり知らなかったのではないですか?

稲葉さん:まったく知りませんでした。桜谷小学校に仕事で行ったことがあるのですが、そこが那賀町だった!という事を最近になって知ったくらいです。

ーそうなんです。同じ徳島県の人でも那賀町の場所を知らない人もいますし・・・苦笑
那賀町の存在を知らなかった稲葉さんが、お仕事を通じて那賀町の存在を知り、資料などで那賀町のことを理解し、そして打合せで来町。
「聴いた那賀町」、「視た(観た)那賀町」、違いはありましたか?

稲葉さん:実際、僕も茨城県の田舎者なので、田舎がどういうところかなんとなく分かっているつもりでしたが、「関東平野のど真ん中」と「山の中」の違いは想像を超えて新鮮でした。
紹介していただいた家を見学に行った時、ここで生活するという事がいまいちイメージできず、だからこそワクワクしたのを覚えています。

ーそして。2018年の夏。「おためし移住」をすることを決断。3ヶ月ものあいだ那賀町で生活していただきました。
率直な感想としていかがでしたか?

稲葉さん:かなり人に疲れていた時期だったので、人の少ない場所で犬と暮らすという時間はとても心地よかったです。
朝起きて近所の川まで散歩に行って、帰ってお昼食べて昼寝して、また川に行って釣りして帰って飯食って寝る。
着る物もTシャツに短パン、多少濡れてもほっとけば乾く。汗かいてもバシャバシャと水浴びすればOK。とてもシンプルな生活でした。
「生活するってこういうこと?」「生きるってこれでもいいんじゃないの?」と、人生の選択肢を1つ与えてもらいました。
この期間によく思ったことは「選択肢があることは幸せ」という事でした。結局那賀町の生活を手放してしまいましたが、僕の人生には必要な時間だったし、貴重な経験になりました。

ーありがとうございます。聴いて、視て(観て)、生活をする。すこしづつ印象が変わってきたと思います。
稲葉さんのような那賀町を好きでいてくれて、いまも交流していてくれる、交流人口の増加に努めることも我々の重要な仕事の1つなのです。
そのためにも、1人でも多くの那賀町を知らない人へ那賀町をお届けすることが大切だと感じております。
では最後に稲葉さんにも8月のOLUYOが企画をした那賀町でのイベントについてお聞きします。どういうイベントになりますか?(参加者にお勧めしたいポイントなどをお教えください。)

稲葉さん:勿論、那賀町を知ってもらって好きになってもらいたい。という気持ちはありますが、とりあえず何も考えずに来てゆっくりしてリラックスして心を洗って帰ってもらえたら嬉しいです。そのためのオールインツアーなので。

ーそれでは、「OLUYO企画那賀町サマーツアー2019~スマート回廊もいくでよ~」も宜しくお願い致します!

※ツアーはおかげざまで満員御礼となりまして募集を締め切らせていただいております。

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