以前は東京の写真スタジオで働いていて、父親の病気をきっかけに、那賀町には1年くらい農業を手伝う気持ちで帰ってきました。
東京での仕事は朝晩関係なく、不規則な生活が続いていましたが、那賀町での仕事は早朝から暗くなるまで。農作業が終われば、夕食、入浴、就寝、という生活です。これを半年くらい続けるうちに、自分に合っているなと感じました。
同時に、環境や地域の人たちの温かさにも触れ、自分の故郷の良さを再認識しました。仕事の合間に家の裏の川に行って水を浴びると、何にも代え難い幸せを感じ、その時に「ここで一生暮らす」って思いましたね。
今、農業に従事している人の多くは、昔から地域の農業を守ってきた高齢の人です。僕はその人たちが守ってきた地域、そして農地を守っていきたいと思っています。
これからは農地を農家だけが守っていくのだけではなく、地域の人たちもいろいろな形で農業と関わりを持ち、農業によって生活が充実したものになるような仕組みを作っていきたいです。
近田大介さん(38歳/平成29年3月現在)
平成17年に東京からUターン。家業のイチゴの生産に取り組む。青年団・商工会など地域を活性化する活動にも取り組み「もんてこい運営協議会」 では劇団員としても活躍。