花の情報
ハンカチノキ
ダヴィディア属
Davidia involucrata
ハンカチノキは、中国西南部(四川、貴州、雲南北部など)の標高約2000メートルの高地に自生する一属一種の珍しい樹木で、ジャイアントパンダなどの発見で名高いフランス人宣教師アルマン・ダヴィッド神父が1869年に発見しました。属名Davidiaは彼の名前にちなんだもので、ハンカチノキが植物界のパンダといわれる所以もここにあります。また中国では「珍稀瀕危植物」のひとつになっている第一級の保護植物です。
この木は、相生森林美術館の開館を記念し、平成5年に植樹されたもので、四月下旬から五月初めにかけてハンカチを釣り下げたような花(実際は総苞片という特化した葉)を見ることができます。

コブシモドキ
モクレン科の落葉高木。環境省のレッドデータブックでは、野生絶滅種(飼育・栽培下のみで存続している種)、徳島県のレッドデータブックでは絶滅に指定されています。
昭和23年、旧相生町平野の大建の谷において、植物学者の阿部近一・赤澤時之両氏によって1個体のみが発見されました。原木は低木状で、枝は地面をはい、土と接した部分から根がでていたことから「ハイコブシ」の別名もあります。その後にも数回にわたって現地調査が行われましたが現在まで発見にいたっていません。コブシモドキは三倍体であり、花は咲きますが種はできません。幸い阿部氏が挿し木によって栽培していたので絶滅をまぬがれました。現在でも県内で数本しか栽培されていない貴重な植物です。

2007年3月24日
この記事に関するお問い合わせ先
相生森林美術館
徳島県那賀郡那賀町横石字大板34番地
電話番号0884-62-1117
更新日:2025年01月30日