平成16年の消防法の改正により住宅に住宅用火災警報器の設置が義務づけられ、現在全国の設置率は80%となっています。設置率向上に伴い、ここ10年で住宅火災(放火を除く)の件数は約35%減少、住宅火災による死者数(放火を除く)は約23%減少しています。住宅用火災警報器の設置・維持について詳しく説明していきます。
1 住宅用火災警報器とは?
天井や壁(天井に近いところ)に設置し、火災により発生する煙を自動的に感知し、音や音声により警報を発して火災の発生を知らせてくれる機器です。
2 住宅火災の現状と住宅用火災警報器の必要性
建物火災に占める住宅火災による死者は約9割と非常に高く、逃げ遅れが死亡原因の約5割となっています。住宅火災では逃げ遅れによる死者が非常に多い状況にあります。また時間帯別の火災による死者(放火自殺者を除く)の発生状況は、昼間と比べて就寝時間帯の死者数が多いようです。住宅火災の逃げ遅れなどによる死者を減らすためにはいち早く火災に気づき、行動に移るために住宅用火災警報器の設置が必要です。
3 設置する場所
設置する場所は国の定める基準に従い、那賀町の火災予防条例で定められています。
(1)寝室
普段就寝に使用する部屋に必要です。来客が就寝するような部屋は除きます。
(2)階段
寝室がある階の階段上部の天井または壁に必要です。
ただし、避難階(1階などの容易に避難できる階)は除きます。
(3)廊下
1つの階に7㎡(四畳半)以上の居室が5部屋以上ある階の廊下に必要です。
※取り付けをおすすめしている所
台所・・・火災以外の煙を感知するおそれのある台所などには熱式(定温式)の
住宅用火災報知器を設置することができます。
4購入方法
ホームセンターや電気店等で購入することができます。住宅用火災報知器は、国家検定の対象品目となっています。購入する際は検定合格表示が貼られたものを購入しましょう。消防署や職員が販売したり、販売を業者に委託することはありません。
※消火器も同様ですが、悪質な訪問販売や点検をする者が多発しています。十分ご注意ください。
5手入れ・点検について
すでに設置されている方はいつ頃設置しましたか?住宅用火災報知器の交換の目安は10年です。10年を過ぎていれば交換をおすすめします。
点検方法
(1)外観を確認する
傷や、ひどい汚れ、埃などが付着していないか確認してください。
(2)住宅用火災警報器の動作をテストする
「警報音停止/テスト」スイッチを押す(引きひもがある物はひもを引く)と作動試験ができます。
なお、次の場合には作動試験を行ってください。
●はじめて取付けた時 ●電池を交換した時 ●汚れなどの掃除をした時
●取付け場所を変更した時 ●故障や電池切れ
※正常な場合・・・・・「ピーピーピー火事です」
正常をお知らせするメッセージ・火災警報が鳴ります。
故障警報の場合・・・「ピッピッピ故障です」「ピッ電池切れです」
故障・電池切れをお知らせするメッセージが鳴ります。
音が鳴らない場合・・「・・・」
電池がセットされているかご確認ください。鳴らない場合は「電池切れ・本体の故障」
手入れ方法
台所などに設置した場合、油や煙などによる汚れが付着することがあります。家庭用中性洗剤を浸して十分絞った布で軽くふき取ってあげてください。
埃がたまっている場合は掃除機で吸い取ってください。
※ベンジンやシンナーなどの有機溶剤は絶対に使用しないでください
詳しくは 「一般社団法人 日本火災報知機工業会」と検索してください。