“ぬくいぜんか”
温かいねぇ
ほのぼのとして温かいことを意味する木頭地域の方言(木頭弁)です。
“もんてこい丹生谷”の活動の始まりとともに、木頭出原出身のアマチュア写真家、故 中野建吉さんの写真展が企画されました。モノクロの写真におさめられたふるさとの匂いあふれる写真集「ぬくいぜんか」は、もんてこい丹生谷の活動理念と重なり、那賀町祭と一緒にふるさとの想いを届けてきました。
「ぬくいぜんか」のご紹介にあたり、過去2回の那賀町祭開催プログラムに掲載されている、中野さんのメッセージを転載させていただきます。
~写真集「ぬくいぜんか」への思い 写真家 中野建吉~
昭和40年代前半、高校卒業と同時に都会へのあこがれから高松・大阪東京へと職を転々としては、“ 夢”を追いかけた。しかし、その間焦燥と時間だけが流れていった。気がつくといつの間にか故郷に.舞い戻っており、当時は仲間もいてそれなりに楽しみもあったが、山奥・寒村での生活はもの足りなく、「いつの日かもう一度…」と、まだ東京への思いも捨てきれず、悶々とした日々を送っていた。
その後地元での就職、そして結婚。やがて2人の子どもの成長過程を追うようになった。暑い時、寒い時、泣いて笑って形振り構わず一生懸命生きていこうとする子どもたちの姿に、人として胸迫るものを感じた。同時に自分は一体これまで何をしてきたんだろうか…。
この子どもたちのためにも、故郷の何かを残してやりたいと思う気持ちになってきた。それが自分の幼い頃、貧しかった暮らしの中で、父や母の仕事についていき野や山で遊んだこと、また夏の川で時の経つのも忘れ、友と遊んだ思い出の数々が重複してきた。そして時代は変わっても昔と今のそうしたことへの思いが、故郷への憧景として写真に結びついていったように思う。「青春の夢」は破れたがこれからの人生を故郷で生きて、これらを記録しておきたいと強く思うようにもなった。
人はどこで住んでも自然と共存、地域共同体の中で一生懸命に明るく生きていかなければならない。そうしたことを写真を通して教えられてた気がする。
「園外保育」
「夏がきて・・・」
「少年たち」
「遠足」
「準備」
「初夏の山里」
「ぬくいぜんか」など、中野建吉さんの作品は、那賀町木頭出原のカフェ「Ken’sギャラリー」にて鑑賞できます。
Ken’sギャラリー
- 住所:徳島県那賀郡那賀町木頭出原字ワダ2
- 電話番号:050-8800-6103