太布の原料となるのは、クワ科の楮(コウゾ)で、酷寒の季節に若い枝を切り取ることから作業は始まります。
その後、蒸す・樹皮を剥ぐ・哂す・たたく・裂くなど、幾多の工程を経て糸をつむぎ、独特の地機で織り上げます。
古代布として全国で製造されていましたが、現在全国でその技法が伝承されているのは那賀町(木頭)のみです。
太布織は独特の技法や素朴さ、その風合いなどで有名で、古くから衣類(明治末まで着用)や日用品(畳表のへり、布団,袋など)に使われるとともに重要な換金産物でした。
しかし、綿製品などの台頭と同時に昭和に入ると生産されなくなりました。
太布織はすべて手作業で大量生産できないため、生産量は限られています。
1970年(昭和45)に岡田ヲチヨ氏(1983他界)が県無形文化財技術保持者に指定され、その後旧木頭村内で「阿波太布製造技法保存伝承会」が発足し、その会も1984年(昭和59)に改めて指定を受けています。
現在伝承会は毎週1日以上屋内外の作業を行なっていますが、原料の確保が難しいことと後継者不足が問題となっています。
その昔は、衣類や袋に利用されていましたが、最近では手提げ、ブローチ、テーブルクロスなどの製品をすべて手作業で仕上げています。
太布庵(生きがい工房)
- 開館日:毎週火曜日(事前に連絡があれば第2土曜日)午前8時30分~
※太布織りの実演を行っております。見学は自由ですのでお気軽にお越しください。
お問い合わせ先
- 那賀町教育委員会木頭分室
〒771-6495 徳島県那賀郡那賀町木頭出原字マエダ34番地
TEL:(0884)68-2311 FAX:(0884)68-2125 - 生きがい工房「太布庵」
〒771-6403 徳島県那賀郡那賀町木頭和無田字イワツシ1
TEL:(0884)68-2386