笠松紫浪 木版画展 ―なつかしき日本の面影―
4月24日(土)~6月13日(日)
休館日:毎週月曜日 ※但し5月3日(月)は開館し、5月6日(木)を休館
入館料:一般550円 中学生以下無料
春の企画展として、大正から昭和にかけて木版画家として活躍した笠松紫浪(明治31年~平成3年)の作品を紹介します。
笠松紫浪は、明治31年(1898)東京浅草に生まれました。本名は笠松四郎。明治45年14歳で日本画家・鏑木清方に入門し、伊東深水や川瀬巴水らに続いて日本画を学びます。大正に入り、師である清方の勧めなどから新版画と呼ばれる作品を発表します。「新版画」とは、大正から昭和にかけて絵師・彫師・摺師の三者により制作される浮世絵の伝統を用いながらも時代に沿った版画芸術を目指した版画運動です。橋口五葉、川瀬巴水、伊東深水らによって優れた作品が多く生み出され、その活動の意義は近年さらに注目されています。
紫浪はその後しばらく版画制作から離れますが、昭和7年からは再び新版画を制作します。戦後の昭和27年から昭和34年には芸艸堂から版画100点近くを発表しました。また昭和30年頃からは自画自刻自摺による木版画の作品も制作、多くの秀作を残しています。晩年まで精力的に創作活動を続けますが、平成3年(1991)93才で生涯を閉じました。
本展覧会では、戦後、芸艸堂から発表した日本各地の風景の木版画作品を中心に、木版画の原画や晩年に力を注いだ自画自刻自摺による木版画も特別に展示いたします。「最後の新版画家」とも称される笠松紫浪の木版画の魅力をどうぞご覧ください。