昨年の12月末に、上那賀地区の山間部を利用した山岳救助訓練を実施しました。
那賀町での救助事案として頻度の高い滑落事故や遭難事故。
この救助事案については傷病者の状態が悪いことが多く、時間との勝負となります。
ここで重要なのが、救助の3Sといって、
スピーディー・・・迅速
セーフティー・・・安全
シンプル・・・簡単
この3つのキーワードが非常に重要となります。
那賀町消防署上流出張所では一日の当務員が最大4名と非常に少ないため、
救助事案が発生した場合、大掛かりな救出プランでは時間がかかり過ぎます。
そこで重要なのが、この3Sなのです。
ですので、救助訓練のときでも必要以上に人員を配置しません!
適材適所で人員を配置し、各自の役割を定着させ、確実な救助を行えるよう訓練しています!
訓練開始
↑今回の訓練で傷病者が撮影したところ。上の立木が山道で、そこから6mほど滑落したと想定。
救助隊としてはまず最初に、傷病者の所在確認を行い、どこに居るのか特定します。
特定ができたなら傷病者に接近し、初めて接触します。この段階で救急救命士が傷病者の病態を即座に
判断し、どの医療機関に搬送するべきか(ドクヘリや防災ヘリも含む)を決定します。
そして一番重要なのが傷病者の病態がそれ以上悪化しないように安定化させることです。
これには限界がありますが、可能な限り傷病者の苦痛を軽減できるよう応急処置を実施します。
適切な安定化が実施でき、救出を完了したのちに搬送となります。
まとめ
言葉にすると簡単ではありますが、救助事案は一筋縄ではいきません。
訓練は実戦のように、実戦は訓練のように。
救助の3Sを常に意識できるよう、訓練に励みます!!
最後に・・・
↑今回使用した傷病者の位置情報です。
こういった位置情報用GPSを携行していると、自分の位置情報をいち早く伝えることができます。
登山されるかたや普段から山間部で作業をする方はGPSを必ず携行するようお願いします。
※今回掲載用の写真が少ないのは、撮影者が傷病者役であったためです(汗)
次回はちゃんとした写真を公開できるようがんばります!